「復元に全力尽くす」/菅官房長官、首里城視察
【那覇支社】菅義偉官房長官は21日、沖縄を訪れ、10月31日に火災で焼失した首里城正殿などを視察し、政府として復元に向けて全力を尽くす考えを示した。視察には玉城デニー知事が同行し、被害状況などについて説明した。
視察後、菅長官は記者団に対し「沖縄の皆さんの誇りと言える多くの施設が焼失した様子を目の当たりにして、被害の大きさを実感した」と感想を述べた。また、「復元に全力を尽くさないといけないと決意を新たにした」と語り、国営公園事業として首里城復元に国が責任を持って取り組む姿勢を強調した。
また、菅長官は自身が議長を務める首里城復元に向けた関係閣僚会議で決定した基本方針の下、技術検討会の結論を踏まえて「今年度内に首里城正殿などの復元に向けた工程表を作る」と述べた。
その上で、「地域の方からの要望が多かった」として、龍潭から望む城壁のライトアップを同日から再開することを表明した。城壁を活用したプロジェクションマッピングを年度内に実施するほか、世界遺産登録されている正殿の地下遺構などの見学を来年のゴールデンウイークまでに可能とするよう、補正予算を活用して迅速に準備を進める意向を明らかにした。
さらに、地元の商店街から要望があったとして、「商売が継続できるよう、政府としてしっかり要望に応えたい」との考えも強調した。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設については「世界で最も危険と言われている普天間飛行場が固定化され、危険なまま放置されることは絶対に避けなければいけない。そのことは地元の皆さんとも共通している」と述べ、政府として普天間飛行場の全面返還に向け取り組むとした。