診療情報を共有へ/宮古病院
「ぴきあ●(●=すに〇)」ネットに理解訴え/安全医療の提供目指す
島内の病院や薬局、歯科医院、在宅・介護施設などの関係機関と、県立宮古病院が患者の医療情報を共有して、より安全で充実した医療サービスの提供を目指す「ぴきあ●(●=すに〇)」ネットの運用開始についての会見が25日、宮古病院で行われた。本永英治院長らがシステムの概要と取り組みに伴う個人情報の厳守について説明するとともに、関係機関と患者に対して同ネットへの理解と協力を呼び掛けた。
この取り組みは、県宮古島地域医療・介護情報連携ネットワークと位置付け、参加機関が患者の各種検査や投薬情報など一部の診療情報を共有できるシステム。
会見で本永院長は「当病院を中心とする宮古地域における医療機関に蓄積されている医療情報の一部を共有化し、連携する医療機関でそれを参照可能とすることで、急性期と慢性期医療のほか、市民の健康増進にも役立てたい」と話した。
本永院長によると1年目は、宮古病院の検査情報(血液検査データなど)をまずは参加機関と共有化するための取り組みを進めるとしている。
2年目は、調剤薬局と連携して投薬情報を共有する。3年目は、在宅診療、介護福祉施設と連携を図り、カルテを共有化して患者に関わる人たちと一緒に健康管理を進めていくとしている。
このシステムの有効性については「例えば、夜中にお年寄りの患者が運ばれてきた場合、状況が分かりにくい状態も多く、対応にも影響する。しかし、このシステムで患者の日常の状態を把握することで早期治療と診断につながる」と訴え、多くの関係機関が参加してくれるよう訴えた。
そのほかにも、個人情報を扱うことから、その保護の徹底の必要性についても強調し、厚生労働省の医療情報システムの安全に関するガイドラインに準じて適切に運用するとしている。
また、情報の共有については患者が拒否をすることも可能で、参加施設の窓口か宮古病院の担当窓口で利用停止の手続きが行えるとしている。
取り組みへの参加方法や問い合わせについては、宮古病院地域連携室内「ぴきあ●(●=すに〇)」ネット担当窓口(電話72・3151)まで。