株出し6割、反収低調/19-20年産キビ
地力増強など課題鮮明/夏植えは増加に転じる
宮古島市の2019-20年産サトウキビの作型別生産概況がまとまった。収穫面積は株出しが最大で、全体の6割弱に当たる2841㌶を占めた。ただ、製糖各社が調べた生産見込み量の基となる反収(10㌃当たりの収量)は4・7㌧と伸び悩んでいる。地力増強や栽培管理技術の向上が求められそうだ。一方、収量が取れる夏植えの収穫面積は1905㌶。ここ数年は減少の一途にあったが、4期ぶり増加に転じている。
生産概況は、製糖各社が11月に実施した調査の結果を基に市がまとめた。
全体の収穫面積は5004㌶で前期比16㌶の減。株出しが56・8%を占めているが、前期の実績より195㌶減少した。一方で、夏植えは前期の実績と比べて378㌶増えた。春植えは前期比199㌶減の258㌶と最も小さかった。
地区別の株出し面積は▽平良765㌶▽城辺934㌶▽上野322㌶▽下地417㌶▽伊良部403㌶-だった。伊良部を除き各地区で最大だった。伊良部は夏植えの549㌶が最も多い作型となった。
全体生産量は約27万700㌧を見込むが、反収は全作型とも伸びていない。生育旺盛期に台風が相次ぐなど気象条件に恵まれなかったことが大きな要因だ。
作型別に見ると夏植えが6・7㌧、株出しが4・7㌧、春植えが4・4㌧とそれぞれ前期実績並みで、現時点では全体の生産量を押し上げる好材料はない。
気象条件による減産は認められるが、作型の主流となった株出しの反収の低さは関係団体の間で共通の課題に挙げられている。
2年1作の夏植えに対して1年1作の株出しの面積が増えれば相対的に収穫面積は拡大し、生産量にそのまま直結する。だが、その恩恵を得られていないという見方が大勢を占める。
要因は地力の低下や管理作業とみられ、株の適宜更新や雑草の除去を含む日ごろの肥培管理の一層の充実が求められそうだ。
宮古地区における19-20年期サトウキビ製糖操業は今月9日の多良間製糖工場を皮切りに始まっている。同19日には宮古製糖伊良部工場が続いた。来年1月7日には同城辺工場と沖縄製糖宮古工場が開始する。