5月肉用牛競りは中止 – 宮古島市
宮崎の口蹄疫発生で/農家打撃、資金繰りに影響
宮崎県での口蹄疫発生を受けて、宮古を含む県内7カ所の肉用牛5月競りが中止されることになった。宮古の毎月平均の競り上場頭数は500頭で、販売額が1億5000~1億7000万円。中止は畜産農家の資金繰りに影響を及ぼしそうだ。口蹄(こうてい)疫に伴う県内の競り中止は、初めて。6月以降の開催は、状況を見て判断する。多良間は偶数月開催のため、予定されていなかった。
4月20日に疑似感染が確認された宮崎県の口蹄疫は、30日までに12例が発生。広がりが収まらず九州各県では、競りが開かれていない。
県は県内競り参加者の多い九州のそうした状況を踏まえ、防疫対策に万全を期すため30日、JAに中止を要請。JAが受け入れ、中止が決まった。
県は防疫対策で、消毒薬1袋(20㌔)を4500~5000戸の農家に配布する。経済面では、緊急支援策を国に要請するとともに、県独自でも検討する。
地域で取り組める防疫対策として①畜舎への部外者立ち入り制限②異常畜の早期通報③飼養衛生管理の徹底(消毒の実施)④畜舎入り口に踏込消毒槽を設け出入り時には必ず消毒⑤残飯の加熱処理-などを示している。
宮古の肉用牛飼育農家数は、約1200戸。中には、仕送りや借金支払い、生活費、餌購入に困る農家も多いと見られている。
口蹄疫は牛やヤギ、豚など蹄(ひづめ)が二つある偶蹄類に感染する家畜の法定伝染病。空気でもウイルスが広がるとされ、伝染力が強い。感染が確認された畜舎の家畜は、すべて殺処分される。人にはうつらない。
宮崎県では2000年3月にも発生し、15日後の3例目が最後となった。今回は12例と、終息は予断できない状況にある。
発生地から10㌔以内では、家畜の移動を禁止。10-20㌔以内区域では、域外搬出を禁止している。移動制限は、周辺の状況を調査した上で、最後の発生から21日後に解除される。