年度内に中間報告へ/首里城復元
国の技術検討委が初会合
【那覇支社】内閣府沖縄総合事務局は27日、火災で正殿などが焼失した首里城の再建に向けた有識者による「首里城復元に向けた技術検討委員会」(委員長・高良倉吉琉球大学名誉教授)の初会合を那覇市内のホテルで開いた。同委員会では、復元に向けた個別の課題に対応するためのワーキンググループを設置し、今年度中に中間報告を取りまとめる方針。
高良委員長は会合冒頭、「県民はもとより、県外、海外の方からも一日も早い首里城の再建、復元を望む声が寄せられている。委員会の仕事は、そういう声に応えることが大きな仕事だ」とあいさつした。
委員会では、首里城復元に向けた基本的な方針として、▽前回復元時の基本的な考え方を踏襲する▽火災を踏まえた防火対策の強化▽県民の意見を十分に反映しながら検討を進める-などを確認した。
主な課題としては、材木や石材などの資材調達、職人や作業ヤードなどの確保、防火対策などを挙げた。個別の課題に対応するため、「防災」「木材・瓦類」「彩色・彫刻」の3分野でワーキングチームを設置することも決まった。
今後は、来年2月中旬~下旬に開く2回目の委員会で、それぞれの課題への対応策について考え、3回目の委員会で意見を取りまとめる予定。
高良委員長は、会合終了後、必要性が指摘されているスプリンクラーの設置について「委員からは否定的な意見は出なかった」とした上で「必要な防火対策は取らないといけない」との考えを示した。