キビ代金2万1603円/2019-20年産
前期比21円の増額/本島内2工場きょうから操業
2019-20年産のサトウキビ(分蜜糖)代金が決まった。1㌧当たりの農家手取額は標準的な糖度(13・7度)で2万1603円となり、前期と比べて21円増額した。砂糖の国際相場が反映される原料代金は前期比79円の減額だが、国の交付金が100円増額したことで相殺され、農家の手取り額そのものは3期ぶりに増加へ転じる。宮古本島内製糖2工場は、きょう7日に今期操業を開始する。
農家収入となるサトウキビ代金は、国の交付金と製糖工場の買い取り価格(原料代金)で構成される。
今期の国の交付金は前期比100円増の1万6730円。基準糖度帯(13・1~14・3度)の原料(サトウキビ)であれば、一律この金額が支払われる。
一方、工場の買い取り価格は、砂糖の国際相場と国の価格調整制度によって定められる輸入糖売り戻し価格を基に算出され、今期は標準的な糖度で前期比79円減の4873円となった。
結果として合算の手取り額は1㌧当たり2万1603円で3期ぶりに増加へ転じている。ここ数年手厚い国の交付金が、下降する買い取り価格を埋め合わせた。
原料の品質によって農家の手取り額が変動する制度は前期同様となる。基準糖度帯内の原料であれば同額支給の交付金に対し、買い取り価格は0・1度ごとに増減する。例えば糖度帯下限の13・1度の原料は2万1390円だが、上限14・3度の原料は2万1817円となり、手取り額に427円もの差額が生じる。
品質が基準糖度帯の枠外になると、国の交付金も変動する。基準糖度が0・1度上下するたびに、それぞれ100円加減される。
これに従うと、13・0度の原料が2万1254円に対し、2度上乗せした品質15・0度の原料は2万2766円となり、その差額は1512円にも及ぶ。品質の優れたサトウキビほど収入が上がる仕組みだ。
こういった価格体系で19-20年期のサトウキビ製糖操業は行われる。宮古地区では12月9日の多良間製糖工場を皮切りに今期操業がスタート。同19日には宮古製糖伊良部工場が始めている。宮古本島内の宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場は7日に始める。
宮古地区全体の今期サトウキビ生産見込み量は29万5680㌧。2期連続で30万㌧を割り込むものとみられ、これを補う品質の上昇が期待されている。