宮糖、沖糖が操業開始/19-20年期キビ
高糖度、滑り出し上々/関係者集い無事故祈願
宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場が7日、2019-20年期の操業を開始した。関係者らが多数集い、期間中の無事故無災害を願った。宮古地区の全工場が稼働し、本格的なサトウキビ収穫シーズンに突入した。初日の平均糖度は沖糖が基準糖度帯(13・1~14・3度)を上回り、宮糖は基準に達するなど好スタートを切った。宮古地区全体でのサトウキビ生産見込み量は29万5680トン。
■宮糖城辺工場
宮古製糖(安村勇社長)城辺工場では初日、907トンが搬入され、平均糖度は13・71度と好調な滑り出しとなった。基準糖度帯(13・1~14・3度)と基準以上の原料が約7割と多かった。今期操業は65~70日間で、3月15日前後まで続く見込み。
今期のサトウキビは、相次ぐ台風の接近で被害を受けており、城辺工場は今期9万7000トンの搬入を見込んでいる。
同社がまとめた初日の搬入概況によると、基準糖度帯に達した原料は49・81%、基準以上の原料は24・42%と品質面は好調だった。基準以下は25・77%。
この実績に伴う1トン当たりの農家平均手取額は概算で2万1604円。
製糖開始式で、安村社長は「農家の皆さんが台風災害に遭いながらも肥培管理を行い、丹精を込めてサトウキビを育ててくれた。本当に感謝している。工場の持つ技術を駆使してサトウキビから限りなく糖分を回収して農家の努力に応えたい」と決意した。
来賓の長濱政治副市長は「宮古が活気あふれる時期に入った。基幹産業でサトウキビを中心に宮古の農業は回っている。みんなで守り育て、島の活性化、発展のために頑張ってもらいたい」と述べた。
県宮古農林水産振興センターの長崎祐二所長は「操業を期間内に終わらせて株出し管理、新たな夏植えを進めていただいて次の生産につなげてもらいたい」と話した。
多良間製糖工場は昨年12月9日に、宮糖伊良部工場が同19日に操業を開始している。
■沖糖宮古工場
沖縄製糖宮古工場では、初日から収穫されたサトウキビが大型トラックで次々と搬入され、午前11時半、圧搾が本格開始。令和に入ってから初のフル操業に突入した。
今期の原料サトウキビ処理量は前期比4000トン増の12万6200トンを見込む。収穫面積は2240ヘクタール。
初日は原料サトウキビ1079トンが搬入され、糖度は平均が14・57度、最高18・20度、最低11・10度。1日当たり1950トンを処理し、3月末に操業終了を予定している。
製糖操業開始式で、仲里典和工場次長は「サトウキビの生育は順調に進んでいる。品質面でも成熟期に入り、糖度も上昇し、例年より高く推移している。今後の冷え込みでさらに糖度の上昇が期待される」と述べた。
その上で「生産農家が丹精を込めて育てたキビから、多くの砂糖を回収する。安全操業を最優先し、効率の良い操業を展開していく」と決意を新たにした。
長濱政治副市長は「沖縄糖業のキビ生産量は宮古地区が45%から50%を占めている。われわれにとって非常に大きな力である」と述べ、生産農家や各製糖工場などの力と支えをたたえた。
宮古農林水産振興センターの宮城靖副参事は「引き続きほ場整備や機械化一貫体系の推進、土づくりの推進など、効率的で持続的な生産が可能となるよう関係機関等と一体となって取り組んでいく」と意欲を見た。