検査範囲を拡大へ/豚コレラ
防疫措置に万全期す
【那覇支社】県は10日、沖縄市の養豚農場で県内3例目となる豚コレラの発生を確認したと発表した。同日午後、第2回県特定家畜伝染病防疫対策本部会議(本部長・玉城デニー知事)を県庁で開催し、まん延防止策の徹底を確認した。
同会議の冒頭、玉城知事は「防疫措置に万全を尽くす」と強調した。その上で、「まずは発生農場の10㌔圏内の養豚農場で感染が広がっていないか確認することが最優先」と述べ、これまでは3㌔圏内で行ってきた検査を拡大する方針を示した。
また、養豚農家に対しては「家畜保健衛生所は、24時間連絡が取れる体制を取っている。飼養衛生管理基準を順守し、異常が認められた時はすぐに家畜保健衛生所へ連絡してほしい」と呼び掛けた。
新たに感染が確認されたされたのは、県内で33年3ヶ月ぶりに豚コレラが確認された農場=うるま市=から直線距離で1・6㌔離れた沖縄市の農場。最初に確認された農場から3㌔圏内にある12戸の養豚農家への調査で感染が認められた。このほかの11戸では「陰性」だったという。
新たに感染が確認された養豚農場では、8日に検査員が立ち入り調査を行って30頭から採血し、遺伝子検査で2頭から陽性反応が出た。9日に実施した再度の立ち入り調査でも、豚に元気消失、発咳、下痢などを確認した。
10日には臓器による遺伝子検査を実施し、3頭中3頭が「陽性」と診断された。同農場が肥育する2809頭は、14日までに全て殺処分され、埋却される。
ワクチン接種について、県担当者は「ワクチンによって被害が最小限に抑えられると判断された場合は、農家さんの意見を聞きながら全地域のワクチン接種を行うという判断もある」との考えも明らかにした。
また、うるま市で感染が確認された農場の2001頭の殺処分は、同日午後7時ごろにすべて完了したと報告した。