発生想定し対応確認/豚コレラ
侵入リスクと危機感共有
市、県、JAが対策会議
沖縄本島中部で広がる豚コレラ(CSF)の宮古管内での発生を想定した対策会議が日、市役所上野庁舎で開かれた。市や県、JAの担当者が豚コレラ侵入のリスクと危機感を共有し、万が一発生した場合の初動対応や封じ込めの手順を突き合わせた。併せて宮古空港に踏み込み式消毒マットを設置し、特定家畜伝染病の侵入を水際で防ぐ有意性を確認。設置に向けて市が調整を進める方針を示した。
うるま市の農場で死亡した豚が、CSFに感染していたことが確認されたのは1月8日。その後、15日現在で4例の発生がある。
すでに県が殺処分を始めており、これまでに7000頭以上が処分された。
事態が収束しない状況を踏まえて市が対策会議を招集した。農家と関係機関が危機感を持って防疫に万全を期すことが狙いだ。
会議の冒頭、下地敏彦市長は「県を中心に防疫に努めているが、侵入経路が分からないため対策を立てにくい側面がある」という現状に触れた。その上で「今のところ宮古管内では発生していないが、いざ発生した場合にどうするのかということを常に考えておかなければならない。課題を共有して方向性を定め、もしもの時に迅速に対応していきたい」と協力を求めた。
会議では▽発生の経緯▽検査実施の必要性▽ワクチン接種の必要性▽埋却候補地の選定▽発生した場合の対応-を話し合った。
宮古家畜保健衛生所の砂川尚哉所長がCSFの現状と対策を説明した。CSFは体液やふん尿等への接触で感染(人や牛には感染しない)することや、感染した豚の生肉等が感染源になることなどから水際での防疫の重要性を説いた。
防疫対策として、空港に消毒用の踏み込み式マットを設置し、国内外を問わずすべての来訪者にマットを利用してもらい、CSFウイルスを島内に侵入させないという防疫の方向性を再確認した。マットの設置に向けては、市が空港関係当局と調整を進める。
宮古管内で飼養されている約630頭の豚の検査に関しては、少なくとも毎年1回は検査が実施されていることや、ワクチンに関しては知事の判断に委ねられていることも確認した。
そのほか、農家に消石灰や注意文書を配布したという市の報告もあった。
農家や市民が取るべき対策として砂川所長は「基本的に豚舎に人を入れないことと、豚舎の入り口を消毒することが大切だ。引き続き海外などから肉類を持ち帰らないということも徹底してほしい」と話した。