豚コレラ、ワクチン接種へ/知事「区域は農水省と協議」
【那覇支社】玉城デニー知事は22日、県庁で記者会見を開催し、豚コレラ(CSF)のワクチンについて「予防的接種を行う必要があると判断した」と発表した。23、24の両日に上京し、江藤拓農相に対してワクチン接種推奨地域への設定など、CSF感染拡大防止対策に必要な支援を要請する。
これに先立ち、同日午後にはJAや県養豚振興協議会、県獣医師会などが出席してCSF防疫対策関係者会議が開かれた。同会議では、「野生イノシシが生息している状況では、飼養衛生管理基準の順守だけではCSFの侵入を完全に防ぐことは困難」として、ワクチンの早期接種の必要性が高いとした。
玉城知事は、会見で「(同会議では)沖縄の養豚振興にご尽力いただいている方々、生産者の方々が(ワクチン接種の)メリット、デメリットを議論していただいた。皆さんの意思確認ができた上で、ワクチン接種を決めたのは意義がある」と強調した。
宮古・八重山などでもワクチン接種を行うかについては「県全体が対象になるかとは思うが、農水省としっかり協議し、どのような範囲にするかを話し合っていきたい」と述べるにとどめた。
ワクチン接種を開始する時期について、県の担当者は「具体的な実効性のあるものにしていくには、さまざまな調整がある」と述べた上で「速やかに行っていきたい」とした。
このほか、玉城知事は「現在、4例目以降のCSF発生は確認されていないが、予断を許さない状況は続いている。引き続き、感染拡大防止対策に関係機関と一体となって取り組んでいく」と語った。