感性育む演奏披露/琉球交響楽団
音楽に合わせ歌い踊り/0歳児からのコンサート
琉球交響楽団による「0歳児からのコンサート」が22日午後、市未来創造センター多目的ホールで開かれた。多くの親子連れが訪れてプロのオーケストラを鑑賞。子どもたちは歌って踊ってコンサートを楽しんだ。終了後は市内スーパーなどで「まちなかコンサート」も。買い物客が足を止めて金管や木管楽器の音色に耳を傾けた。このミニコンサートは、24日にも市内各地で開かれる。
琉球交響楽団は、2001年に設立された県内初のプロオーケストラ。年に2回の定期演奏会や学校での公演のほか、観客のニーズに応える形の演奏会を数多く開催している。特に「0歳児からのコンサート」は人気のシリーズで、県内各地で好評を博している。
プログラムは運動会でおなじみのオッフェンバック作曲「『天国と地獄』より序曲」で始まった。聴き慣れた曲に子どもたちは1曲目から大喜び。お母さんたちもリズムに合わせて体を揺らし、生演奏を楽しんだ。
「山の音楽家」では楽器別の演奏を聴いた。弦楽器に始まり、木管、金管、打楽器と続いた。会場の親子連れは静まり返り、各楽器の音色に耳を澄ませた。
曲の合間には、子どもたちが指揮者に挑戦するコーナーもあった。オーケストラを指揮する直井大輔さんの助言を受けながら3人の児童が指揮したが、タクトを振る手は速かったり、遅かったりと変幻自在。そんな動きに難なく応える楽団奏者の演奏技術に聴衆は大きな拍手を送っていた。
最後の曲は、子どもたちに人気の「パプリカ」(米津玄師作曲)だった。演奏が始まると子どもたちは立ち上がって踊り出し、笑顔いっぱいの表情だった。
吉井千晶さん(30)は長女で6歳の歌穂さん、長男で4歳の尊悠(たかはる)君、次男で1歳の絢哉(けんや)君を連れてコンサートに訪れた。「最高に良いコンサートだった」と満足そうに話し、「子どもがとても喜んでいる。こういう機会がたくさんあれば良いと思う」と期待した。
コンサートを終え、琉球交響楽団事務局長の高江洲貴美恵さんは「たくさんの親子が集まってくれて本当にうれしい」と宮古島市初の0歳児からのコンサートの成功を喜び、参加親子の笑顔に目を細めていた。
楽団は23日、多良間島に渡って演奏。24日午後には宮古本島に戻り、空港や病院、市場、銀行などでまちなかコンサートを開く。