クルーズ船事故を想定/海上保安部など合同訓練
2019年度大型クルーズ船事故対応合同訓練が26日、平良港第2埠頭(ふとう)のフェリーたらまゆう係留岸壁で行われた。宮古島海上保安部と宮古島警察署、市消防本部の職員らが参加し、大型クルーズ船の事故を想定し、負傷者救助の流れや、各機関の連絡、連携方法などについて確認した。
同訓練は2020年春に大型クルーズ船専用桟橋が共用開始となり、今後、大型クルーズ船のさらなる寄港の増加が見込まれることから関係機関相互の連携強化および救急・救助活動技術の向上を図る事により、大型クルーズ船事故への対応に備えることを目的に実施された。
訓練は宮古島沖を航行中の大型クルーズ船が荒天により大波を受けて多数の負傷者が発生し、同船が負傷者救護のため平良港に緊急入域し、負傷者などを下船させることを想定。
訓練では警察官が警戒区域を設定。消防が救護所などを迅速に組み立てた。海上保安官と消防職員が船内での負傷者の確認や調査などを行った。訓練にはフェリーたらまゆうの船員や宮古総合実業高校の生徒たちも乗客役で参加した。訓練当日は大雨の影響もあり、訓練内容を一部変更して行われた。
開会式で宮古島海上保安部の田中健彦部長が「大型クルーズ船専用岸壁の共用開始が予定されており、今後は船の大型化、寄港隻数の増加が見込まれるが、事故が発生すれば油による大規模な海洋汚染や多くの人命が失われる可能性がある」と強調した。
これを踏まえて、「事故への迅速かつ的確な対応を図るためには高いレベルの技術はもとより、各機関の連携が必要不可欠。訓練を通して救助技術の向上とともに、関係機関相互の連携強化と理解の深化が図られるように努めてほしい」とあいさつした。