火災現場を初公開/首里城
5日から撤去準備を開始
【那覇支社】沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所、県土木建築部、沖縄美ら島財団は4日、これまで立ち入りが禁止されていた首里城御庭の正殿跡や、書院・鎖之間庭園などの火災現場を報道陣に初公開した。1月29日に県警による捜査の現場立ち入り制限が解除されたため、報道陣への公開に踏み切った。沖縄記念公園事務所の鈴木武彦事務所長によると、5日から、焼け落ちた瓦の撤去、回収の準備作業に取り掛かり、2月下旬には、がれきなどの撤去作業を開始する予定。城郭内の「遺溝」の一般公開をゴールデンウイークに目指したい考えだ。
また、作業状況をみながら、外壁が焼け残った「北殿」「南殿」「黄金御殿(くがにうどぅん)」「寄満(ゆいんち)」の主要4棟の取り壊しを進める。
報道陣に公開された火災現場は、正殿は跡形もなく消え去り、主要施設の4棟も外壁を残して崩れ落ちそうな様相を呈していた。瓦などのがれきが集められている場所もあるが、焦げた柱やがれきが散乱し、猛火の激しさを漂わせていた。正殿正面に焼け残った「大龍柱」は、裏側にひび割れが見られ、変色した状態になっていた。
報道陣から質問を受けた鈴木事務所長は「何とかゴールデンウイークまでには、『遺溝』を中心に安全確保を図りつつ、一般に公開したい。2月下旬から本格的な瓦などの撤去作業を行うが、その準備段階として、5日から学芸員による作業準備に取り掛かる」と説明した。
また、火災による被害のなかった「東(あがり)のアザナ」までの区間公開について、鈴木事務所長は、「監視カメラなどのユーティリティーが機能していないことが判明している。安全確保がとれた状態での公開になるので、これらの安全機能施設の復旧も急ぎたい」と述べた。