低糖度で厳しいスタート/宮糖多良間工場
台風に伴う塩害の影響か
宮古製糖多良間工場の操業初日の糖度は11・87度と、品質取引が始まった1994~95年期以降の17期で、98~99年期の11・40度に次いで2番目に低い厳しい滑り出しとなった。宮糖城辺工場の13・40度と比べると1・53度の差。トン当たり農家手取りでは1856円の開きがある。
宮糖は推測される一番の要因に、昨年10月28日に接近した台風14号に伴う塩害を挙げる。強風域に11時間巻き込まれ、雨量は1・5㍉。30日に5㍉降ったものの11月6日まで約1週間日照りが続いた。
多良間工場によると、サトウキビの葉はこの間に赤茶け、現在も回復していない。多良間島は宮古島と比べて面積が小さく、平坦な地形のため塩害をもろに受けるという。
宮糖の98~99年期営業報告書は「10月16、17日に襲来した台風通過後、1週間以上も雨がなく塩害で青葉がほとんど枯れ上がり、登熟に悪影響を及ぼした」と低糖度の理由を説明。宮糖は、同期によく似たケースとみている。同期の多良間工場の最終糖度は12・7度だった。
宮糖はほかに、11~12月にかけた日照不足や化学肥料の使い過ぎ-などの可能性を指摘する。
サトウキビ夏植えの10㌃当たり標準施肥量は140㌔(7袋)だが、多良間では200㌔(10袋)与える農家も多い。仮に登熟期まで肥料が残り、雨が続いてキビに吸収されると、登熟に影響を及ぼす可能性があるという。
キビの低糖度は、農家の手取りばかりでなく、会社経営に及ぼす影響も大きい。宮糖は、原因を具体的に調べ今後に対応する方針を示している。