大型クルーズ船 2月は全便欠航に
台湾からの船もキャンセル/タクシー業界は危機感
新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで、欠航が相次いでいた大型クルーズ船の影響がさらに拡大している。中国だけでなく台湾からのクルーズ船も欠航が決定し、当初2月に予定していた平良港への寄港はすべてキャンセルとなった。クルーズ船寄港時には多くのタクシーが列をなしていた港近くの道路も現在は、客待ちするタクシーの姿はほとんど無く、収束の気配が見えない中でタクシー業界は危機感を募らせている。
当初2月に宮古への就航を予定していたのは中国と台湾からの計13回だったが、同ウイルスによる新型肺炎の感染拡大により、中国からの全便の欠航が決定。
さらに、台湾基隆市からの寄港を予定していたスーパースターアクエリアス号も7日までに全便の欠航が決定し、これにより2月寄港予定だった平良港へのクルーズ船はすべて欠航が決定した。
大型クルーズ船が寄港するたびに客待ちのタクシーが列をなしていた平良港近くの道路も、8日は寄港予定だった船のキャンセルを受けてタクシーの姿は見られなかった。
大型スーパー前で客待ちをしていた運転手に話を聞くと「クルーズ船客が来なくなって売り上げの落ち込みは大きい。今後もこの状態が続くと業界はかなり厳しい状況になると思う」と話した。
また、別の運転手も「ドライバーの約9割ぐらいはクルーズ船が寄港すると外国人観光客を乗せに港に向かっていた。船が入ると通常よりも売り上げが1・5倍ぐらいになったので、それが無くなると影響は大きいと思う」と危機感を募らせた。
船舶に続き、12日からは空の便も香港エクスプレスの下地島-香港路線が新型肺炎の影響で運休が決定しており、海、空と宮古島への影響が拡大し続けている。
宮古タクシー事業協同組合の下地隆之代表理事は「厳しい状況だが、こればかりはどうしようもない。タクシーだけでなくバスも団体旅行のキャンセルなどもあり影響が出ている」と、現在の状況を説明した。
さらに「業界としても安心してタクシーを利用してもらうためにマスクの着用など防疫体制の充実を図りたいが、マスクが手に入らない状況。もしも、タクシーで感染したという患者が出たら大変なことになる。今後、業界全体で対応策を協議していく予定になっている」と話した。
3月もクルーズ船の寄港は20回以上予定されているが、このまま感染拡大が収束しなければ、さらに欠航数が増える見込みとなっている。