厄払い、豊作祈願/城辺比嘉
獅子2頭が集落で舞う/盛大に旧二十日正月祭
城辺比嘉の伝統行事「旧二十日正月祭(パツカショウガツ)」が13日、集落内であった。2頭の獅子が公民館や集落内で舞い、新しく購入されたトラックや重機の厄を払って回った。住民は公民館前に集まり、獅子を囲みながらクイチャーを踊って五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈願した。107回を数える旧暦の伝統行事は今年も大盛況だった。
旧二十日正月祭は、比嘉集落の安全と繁栄を祈願する一大行事だ。毎年旧暦1月20日に自治会の主催で開かれている。明治時代、字有地の財産をめぐって士族と平民が争った事件の解決を機に1913年に始まったとされる。
祭りは午後3時ごろに始まった。獅子舞を担当する比嘉民俗芸能保存会の伊良部浩一会長が「令和初の二十日正月ということで保存会のメンバー全員が意気込んでいる。みんなで盛大に祝いたい」と威勢良く始まりのあいさつを述べた。
続いて自治会の宮城尚会長が「今年は107回目の開催になる。先輩方が引き継いできた比嘉にとって大切な伝統行事をみんなで盛り上げたい」と話し、地域の結束を呼び掛けた。
この後、獅子と民俗芸能保存会のメンバーを先頭に公民館の周囲を歩いて清めた。後に続く住民は頭にマーニ(和名・クロツグ)を巻き、保存会による三線や笛の音に手拍子を合わせて地域の安全を祈った。
公民館を清めると、広場に移動し、獅子を囲みながらクイチャーを踊った。
これを終えると集落内をくまなく回った。この中で砂川雅一郎さんの1㌧車両と南開建設の重機と10㌧トラックも清めた。いずれも最近購入されたばかりの車両で、それぞれを安心して使えるように祈った。
今年トラックを購入した砂川さんはベテランの畜産農家で、牛50頭余りを飼養している。トラックではロール牧草を運搬したり、牛を競り市場まで運んだりする時に使うという。
そんなトラックを清められて、「獅子舞で清めてくれてありがとう。これで安心して毎日の仕事にまい進できる」と喜んでいた。
厄払い行事を締めると公民館で祝宴を開き、参加した地域住民が伝統行事の重みをかみしめながら和やかに交流を深めていた。