感染予防策を強化へ/宮古タクシー組合
車内除菌で環境構築/新型肺炎県内発生受け
県内で初めて新型コロナウイルス感染者が出たことを県が発表した14日、感染者が沖縄本島のタクシー運転手だったことから、宮古のタクシー業界も危機感を募らせている。宮古タクシー事業協同組合は同日午後に緊急の会合を開き、今後の予防対策の強化について協議。早急に同組合加盟の約200台に強力な除菌力を持つ次亜塩素酸水を導入して、安心して利用できる車内環境を構築することを確認した。
会合は、同組合事務所で行われ、加盟社の代表らが参加。ウイルス感染の予防対策について協議するとともに、次亜塩素酸水の活用方法などの説明を受けた。
人や環境にも安全な次亜塩素酸水は、空間噴霧が可能で霧化器やスプレーボトルを使って空間に存在するウイルスや菌を防菌することが可能。
同組合の下地隆之代表理事によると、希釈した次亜塩素酸水を活用した「車内用自然気化式加湿器」を車内のエアコンの吹き出し口に設置し、常に加湿しながら除菌を行うとしている。
さらに、運転手には携帯用のスプレーボトルを配布し、客の乗降のたびに次亜塩素酸水を使って除菌作業を行う予定だ。
下地代表理事は「タクシーは不特定多数の客を乗せる。この取り組みは乗客に安心して利用してもらうこともそうだが、乗務員を守るための措置でもある」と話した。
宮古空港で客待ちをしていたタクシー運転手の1人は「沖縄にも多くの観光客が来ているので感染者はいるだろうと思っていた。私たちも常にマスクをして仕事をしたいが今はマスクがない。今後を考えるとちょっと怖いね」と不安を募らせた。
下地代表理事は「県などにも公共交通機関には優先的にマスクを提供するよう求めている。万が一、乗務員が感染することになると会社全体の業務が止まる可能性もあるので、感染者を出さないような取り組みを徹底していきたい」と話した。