新型肺炎 車内の除菌環境構築/宮古のタクシー業界
次亜塩素酸水を導入/3点セットで安全空間アピール
新たな感染者が国内で日々増え続けている新型コロナウイルス。県内でも2月14日に初めて沖縄本島のタクシー運転手の感染が確認され、さらに19日に確認された2例目の感染者もタクシー運転手だったことから宮古のタクシー業界では、強力な除菌力を持つ「次亜塩素酸水」を用いた装備品を車内に備え付けて、利用者に車内の安全空間をアピールしている。
今回導入された次亜塩素酸水は、人や環境にも安全で空間噴霧が可能。霧化器やスプレーボトルを使って空間に存在するウイルスや菌を防菌することが可能となっている。
現在、島内のタクシーには希釈した同酸水を入れた「車内用自然気化式加湿器」を車内のエアコンの吹き出し口に設置する取り組みが進められている。
この加湿器は、吹き出し口からの風を利用して常に車内を加湿しながら除菌を行うとしている。
最終的には、宮古タクシー事業協同組合加盟の約200台すべてに設置される。
さらに、運転手には希釈した同酸水を入れた携帯用のスプレーボトルが配布され、乗客が乗り降りする後部座席の除菌作業を小まめに行っている。
同酸水は、紫外線に弱いことから、各社で携帯用のスプレーボトルにテープを巻くなどしてその対策を図っている。
同組合では、加湿器とスプレーボトル、マスクの3点セットで予防対策の徹底を図るとしているが、深刻なマスク不足が続き、各社とも在庫が少なくなってきていることから、今後に不安の声も出ている。
太平タクシーの宇座健次運行管理者は「業界は危機感を持っているし、怖がってもいる。こうした取り組みは客もそうだが運転手を守るためのもの。島の人たちが安心してタクシーを利用してもらうためにしっかり予防対策を図っていきたい」と話した。
同組合の下地隆之代表理事は「車内用の加湿器はすでに各社に配布しているので加盟社のほとんどのタクシーに備え付けられていると思う。マスクについても県のタクシー協会に入り次第、私たちも購入、配布を予定している。業界としても万全を期しているので安心してタクシーを利用してほしい」と呼び掛けた。