キビ生産量、大幅減産/宮古地区19-20年産
27万2500㌧に下方修正/2期連続30万㌧割れへ
宮古地区の製糖各社は19日までに、2019-20年産サトウキビの生産見込み量を下方修正した。地区全体の生産量は当初比で2万8000㌧余り少ない27万2561㌧に見直されている。2期連続で30万㌧を割り込むことはほぼ確実となった。
製糖各社は当初、地区全体で前年並みの生産量を予想していた。だが、搬入される原料(サトウキビ)が総じて軽く、茎数が重量に反映されないという。
搬入原料および残量調査の結果、沖縄製糖宮古工場は当初見込みより1万4600㌧少ない11万1600㌧に修正。宮古製糖城辺工場は同比5001㌧減の9万2504㌧に改めた。
同伊良部工場は当初の5万2000㌧から4万8587㌧に、同多良間工場は当初2万4880㌧から1万9870㌧と2万㌧を下回る数字に修正された。
沖縄製糖宮古工場の仲里典和工場次長は「サトウキビが軽い。汁が例年より搾れない」と嘆く。農務部は減産要因として台風の強風による葉の裂傷、回復期間の短さ、台風一過後の塩害などを挙げるが、「あくまで憶測に過ぎず、断定はできない」としている。
一方、宮古製糖の安村勇社長は「台風の被害が考えられるが、単にそれだけかどうか。原因を究明しないといけない」と話し、当面の対応策として地力強化の必要性を強調した。
減産の要因は製糖各社ほか関係機関で分析が進められているが、現状は「特定できていない」(製糖工場幹部)。昨年相次いだ台風の影響は認めながらも、被害状況と減産量が合致しないという見方がある。
今回の下方修正によって地区全体の生産量は2期連続で30万㌧を割り込むことが確実となった。収量の面では厳しい生産実績になりそうだが、平均糖度は高い数字で推移しており、減産分をカバーする品質の一層の上昇が期待される。