海水浴場 本格検討へ/市海岸利用促進協
前浜利活用で課題共有
観光地として人気が高い海岸の利用促進を図る市海岸利用促進連絡協議会(会長・長濱政治副市長)の会合が25日、市役所平良庁舎であった。前浜で営業する事業者の活動状況や課題を整理したほか、次年度に海水浴場の開設を本格的に検討する方針を確認した。
この協議会は、市が県から管理権限の移譲を受けている前浜、砂山、吉野、中之島、新城の5海岸の利活用の検討を進めている。構成する委員は、行政ほか警察や消防、商工会議所、事業者、漁協の代表ら。
会合で議題に上がった前浜における海水浴場開設の最大のメリットは安全管理面の強化だ。監視の目を増やして水難事故の防止が図れる。繁忙期に不足気味な飲食店の参入で経済性を高めるという利点もある。
会合では、神奈川県鎌倉市の材木座海水浴場と由比ガ浜海水浴場を調査した結果が示され、開設費用やライフセーバーら人員確保などの課題を共有した。
その上で次年度内に開設の可否を判断する方向性を確認した。長濱会長は「海水浴場という形でもっていきたい。次年度1年をかけて真剣に検討したい」と参加委員に呼び掛けた。
前浜の利用をめぐっては昨シーズン初めて公募で事業者を募集。4事業者を選定した。事業者は出店者募集要項に従って出店区域の範囲や業種、営業時間等の制約の中で事業を展開、観光ニーズに応えてきた。
会合では、これら事業者の活動内容を確認。成果としては、安全優先の方針を徹底することで台風前後の無理な営業もなく、期間中の無事故営業を挙げた。
課題では管理の難しさに触れた。「大音量BGMやタトゥーの露出、客引き行為が散見された」と秩序の乱れを指摘。再三の注意にもかかわらず繰り返されたという。選定事業者のうち1社は最終報告書の提出も行わず、「正確な検証の妨げになった」と断じた。
そのほか、いまだに無許可事業者の営業が多いことも課題の一つとした。一部の事業者は遊歩道に車両で乗り入れているといい、対策として遊歩道入り口に逆U字の車止めを設置して進入を防ぐ方針を決めた。