2、3月影響額15億円/新型肺炎拡大
クルーズ船 宮古寄港キャンセルで
新型コロナウイルスの世界的な広がりの影響で、平良港に寄港予定だったクルーズ船のキャンセルが止まらない。2月は予定した13回すべてがキャンセル、3月も大型の「ワールドドリーム」号など14回の寄港がなくなる見通しだ。県の実態調査に基づく影響額は2カ月間で15億6600万円に及ぶとみられ、管内経済に与えるダメージは深刻さの度合いを強めている。
市によると、3月に予定されていたクルーズ船の寄港回数は計24回(2月7日時点)だったが、同26日までに14回のキャンセルが決まっている。すべてが新型コロナウイルス関連だ。
寄港を取りやめたクルーズ船は15万㌧クラスのワールドドリーム号のほか、スーパースタージェミナイ号やスーパースターアクエリアス号など。それぞれ複数回予定していた寄港の多くをキャンセルとした。
2019年のクルーズ船1隻当たりの平均乗客乗員数は約2700人。一方で県の外国人観光客実態調査に基づく宮古島市のクルーズ船観光客平均消費単価は2万1487円と試算されている。この数字からはじくクルーズ船1隻当たりの影響(消費)額は約5800万円となり、2月の影響額は7億5400万円、3月は8億1200万円と莫大(ばくだい)な金額に及ぶことが見込まれる。
クルーズ船キャンセルによる影響は大きく、バスやタクシーなど2次交通関連会社のほか飲食店や大型スーパー、免税店、有料観光施設など多岐にわたる。この1カ月は市内を走る大型バスがめっぽう減り、買い物を楽しむ外国人観光客も極端に少なくなった。
新型コロナウイルスが終息に向かわない限り、当面はキャンセルが続くという見方が大半で、経済界の警戒感は強まるばかりだ。
クルーズ船のキャンセルで、19年度の入域観光客数は前年度の114万人を下回る見通しに。市観光商工部の楚南幸哉部長は「現状を考えれば仕方がないが観光の面では残念だ」と肩を落とし、「市民と同様行政としても一日も早い終息を望むばかりだ」と話した。