トライ大会初の中止/実行委員会
臨時総会で正式決定/新型肺炎感染拡大影響で
宮古島トライアスロン実行委員会(会長・下地敏彦市長)は2日午後、JTAドーム宮古島で臨時総会を開き、第36回大会の中止を正式に決めた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、史上初めて取りやめる決断を下した。一大スポーツイベント中止の衝撃は大きく、動揺の広がりが懸念される。宮古管内の実体経済に及ぼす悪影響も避けられない情勢だ。
4月19日開催予定だった第36回大会中止の告知は実行委員会の公式ホームページほか、選手への直接メールや郵送で知らせる。参加料は全額を返還する。これにより、大会への出場権は完全にリセットされる。
ただ、第36回大会への出場が決まっていた参加年齢上限の65歳の31人については特例措置を講じ、次回大会に限って年齢上限枠を外した形で出場を認める。
臨時総会では、実行委員長の長濱政治副市長が2月27日の専門委員会全体会議の結果を報告。その上で開催の可否を審議した。
質疑の中で、これまでの準備で掛かった経費が約2000万円に上るという事務局の説明があった。ボランティアが着るTシャツなど、事前に支払わなければならない費用があることを踏まえて理解を求めた。
審議の結果、大会中止に異論はなく、全会一致で第36回大会の中止を決めた。
中止の決定に当たり下地会長は「宮古島では新型コロナウイルスの発症事例はないが、なるべくリスクは排除しておきたい」と予防の重要性を強調。経済に及ぼす影響については「私たちはこれまで、安心、安全な大会運営を軸にして35回大会まで開催してきた。そういう意味では経済的な問題よりもアスリート、そして市民の皆さんの安心、健康を考えた上で大会の中止を判断した」と話した。
全日本トライアスロン宮古島大会は1985年にスタートした。以来、沿道の応援に見られるホスピタリティーあふれる大会として国内外に知れ渡り、今では全国各地、外国人選手を含めて最大1700人が出場する宮古島最大のイベントに成長している。
過去、悪天候の影響でスイムを取りやめ、バイクとランだけで行うデュアスロンの実施はあるが、中止の措置は史上初となる。