日本カツオ学会が発足/高知県黒潮町
宮古島市など全国16市町参加
宮古島市や本部町を含む全国10県の16市町の首長と大学などの学術研究者や研究機関の関係者でつくる「日本カツオ学会」がこのほど発足した。「土佐の一本釣り」で知られる高知県黒潮町の総合センターで、設立総会と「黒潮一番地カツオ・シンポジウム2010」が行われた。第2回カツオ・シンポジウム2011(仮称)は鹿児島県の枕崎市で行われる予定。翌12年の第3回は宮古島市で開催することが決まった。
同学会はカツオ資源の実態や、それに関連した漁労、加工、流通、消費、文化の現状を把握し、高付加価値化や有効利用の可能性を探る。海洋資源調査機関のデータのみならず、日々操業している漁業者からの観察情報も貴重な指標であるとしている。そのためカツオ産業の盛んな地域と産・学・官で情報交換を進めるとともに、調査・研究を継続することを目的に設立された。会長は愛媛大学の若林良和教授。
同シンポジウムに出席した下地敏彦市長は「カツオは伊良部漁協にとって重要な魚種の一つ。今後カツオ資源の管理をどうするかという取り組みで設立された。宮古の漁業を守る視点からも参加して情報交換が必要だ」と述べた。
宮古地域のカツオ漁は1998年に6隻のカツオ漁船で漁獲量約1150㌧。漁獲金額は約2億6500万円だったが、10年後の2008年には漁獲量がおよそ365㌧、漁獲金額で約9400万円まで大幅に減少した。
市によると宮古島ではパヤオなどの設置で周年の漁獲を支えているものの、カツオ資源の減少に歯止めが掛かっていないのが現状だという。
漁獲量の減少について下地市長は「カツオの繁殖域である南方の海域で、大型の巻き網を使い大々的に操業していることが要因ではないか」と指摘し「今後、資源管理という意味で積極的に取り組んでいきたい」と述べた。