薄紫の花が彩る/下地与那覇の畑
蜂蜜や卵に活用/アフリカンブルーバジル
下地与那覇の畑に、少し紫がかった小さな花が一面に広がり、畑の横を行き交うドライバーたちの目を楽しませている。この花はアフリカンブルーバジル。丈夫で育てやすく、畑を管理する長崎たまご園の長崎正彦さんは、花の部分は刈り取ってミンチにして鶏の餌として与えてバジル風味の卵を販売している。さらに、この花の蜜を蜜源にした蜂蜜生産も目指しているという。
この花畑の横には、養蜂用の巣箱が複数個設置され、晴れた日の朝などは花の周りを飛び交うミツバチの羽音が聞こえるという。
長崎さんは「よく観光客が『インスタ映えする』と言って写真を撮っている。最初は花としては淡い色で地味かと思ったが本土の観光客からは『北海道のラベンダーのような感じできれい』とほめてくれたよ」と笑顔になった。
この畑では、長崎さんが鶏の餌用に花の部分を必要な分だけ約2カ月掛けて刈り取り、その間で最初に刈り取った部分は花が再生することから効率よく何度も餌として確保できるという。
さらにその間には、ミツバチが花の蜜を求めて飛び交い、蜜を集めていることから、今後はバジル風味の蜂蜜生産を本格化させたいとしている。
そのほかにもこのバジルの利点について、長崎さんは「この種は、別々の種を掛け合わせてできた交雑品種で花は咲いて蜜は出すが種が出ないので、一気に増えて宮古の環境に影響を与えるようなこともない」と話した。
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大で、宮古の観光も大きな影響を受けている。その中で、アフリカンブルーバジル畑は、宮古に訪れた観光客の目を楽しませている。
長崎さんは「こうして毎日、バジルの香りに包まれて仕事しているから新型コロナウイルスには私は感染しないと思うよ」と笑顔で話した。