佐良浜港に消毒マット/JA伊良部支所
口蹄疫侵入水際防止策/踏み込み槽設置呼び掛け
宮崎県で被害が広がっている口蹄(こうてい)疫問題で、JAおきなわ伊良部支所などは24日、口蹄疫の侵入を水際で防止しようと、人や車が出入りする佐良浜港の桟橋に消毒液をしみ込ませたマットを設置した。
また、畜産農家に消石灰(消毒液)を無料配布。畜舎に踏み込み消毒槽の設置を呼び掛けた。
伊良部島の畜産農家は20戸で、現在は母牛、子牛約420頭が飼育されている。
この日の防止対策は、農家が情報を共有しながら迅速な連絡体制や予防対策に関する自主管理の向上を図ることなどが目的。船を利用する地元住民や観光客にも張り紙で協力を呼び掛けた。
ウイルスを運ぶ身近なパターンは、人や車両などが考えられるという。マットや踏み込み槽の設置は、最も汚れる靴底と車輪を消毒するため防疫上有効とされている。
伊良部支所で行われた説明会には、JAや市、家畜保健衛生所、県畜産会の職員らが出席し、農家に消毒槽の作り方や使い方を説明。①水10㍑に消石灰、紙コップ1杯が目安②長靴を消毒液が入った踏み込み槽に入れる前に水で汚れをきれいに落とす③消毒液は1週間程度で交換-などと説明した。飼料と離して保管することや家畜に散布しない、人の目や口、鼻に入らないようにする-などの注意も呼び掛けた。
宮古和牛改良組合伊良部支部の長濱国博支部長は母牛19頭を飼育。中止となった5月競りには子牛3頭を出す予定だったという。「6月競りが中止になれば、収入が滞りかなりの打撃になる。子への仕送りもあるし…。私たちに今できることは自己防衛しかない。早めに終息し安心して牛を飼育したい」と話した。