宮古島市 「入島料」導入を検討/市議会3月定例会
法定外目的税を断念/粟国氏の質問に市当局
市が検討を進めてきた法定外目的税の導入を事実上断念する。一方で、任意の寄付を集める「入島料」制度の導入に向けて検討を始めている。県が法定外目的税を条例化する方向で調整を進めていることから方針を転換した。17日に開かれた市議会3月定例会一般質問の中で分かった。粟国恒広氏の質問に、企画政策部の友利克部長が答えた。
市は2017年度から法定外目的税の導入を検討してきた。庁内委員会で検討を重ね、「宿泊税がより導入実現の可能性が高い」という結論を出していた。
だが、県も並行して宿泊税の導入を検討していたことから、市としての協議はいったん中断していた。
17日の一般質問で取り上げた粟国氏は、その後の協議内容を聞いた。これに友利部長が答弁に立ち、県が導入する宿泊税と施策がかぶることなどから「本市としては取り組まない」と断念する意向を表明した。
その上で、支払い義務が生じる税ではなく、任意に基づく「入島料」の導入の検討を始めていることを明かした。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大という社会情勢を踏まえ、「現時点の状況からすると、(入島料導入議論の)スピード感は落ちてくる」と理解を求めた。「いずれにしても税というよりは料という形で新たな収入の確保を検討していく」と述べた。
入島料は竹富島で実施されており、「入島料金」として観光客らから300円を任意で徴収している。
市の方針転換で、法定外目的税の導入は事実上なくなった。今後、入島料の議論が進められるが、導入時期や寄付を集める方法など課題は山積しており、実施に至るまでには相当の時間を要するものとみられる。