宮古島市商業地平均 上昇率、県内トップ/2020年地価公示
ジブラルタ生命(商業地)伸び率全国5位/上野野原(住宅地)は全国4位
【那覇支社】内閣府沖縄総合事務局は日、2020年の地価公示結果(1月1日時点)を発表した。宮古島市は、地価の平均上昇率が商業地で県内トップの前年比27・3%、住宅地で県内4位の同14・1%となった。地点別でも、商業地で平良字西里羽立391番外の「ジブラルタ生命」が同41・4%上昇の1平方メートル当たり8万9900円となり、上昇率で県内3位、全国5位に入った。
地価公示分科会代表幹事の濱元毅氏は、宮古地区で地価が上昇していることについて「入域観光客数が伸びたほか、下地島空港の旅客ターミナルも開業した。公共施設やホテルの建設に伴い、作業員や従業員の住居ニーズも増えていることなども要因」と分析している。
今回の地価公示では、これまで平良地区やリゾート地に限定されていた住宅地の上昇が、上野・城辺地区にも波及しつつあることも明らかになった。上野字野原東方原1104番地は同27・4%上昇の1平方メートル当たり5810円で、上昇率で県内2位、全国4位だった。
濱元氏は、上野野原地区で住宅地の価格が上昇した理由として、「野原は空港や市街地に遠くないほか、近くに自衛隊の宿舎ができた。近辺では、共同住宅も急激に増加している」ことを挙げた。
また、価格変化が見られてこなかった既存の住宅地についても「ある程度の引き合いが増えている」と指摘している。急激な地価上昇が指摘されてきた伊良部地区については、「土地取引が一段落した感がある」とした。
一方、新型コロナウイルスが国内外で感染拡大を続け、入域観光客が減少している点については、「マイナスの影響を受けていることは事実。どの程度(現状が)続くのかや影響の広がりは不透明なので、引き続き注視していきたい」と述べるにとどめた。
県全体では、住宅地平均価格が前年比9・5%、商業地が同13・3%、工業地が同20・9%上昇した。いずれも、前年から上げ幅を拡大し、昨年に引き続き上昇率で全国トップを維持した。
県内の商業地最高価格地は19年連続で那覇市久茂地3丁目1番1で1平方メートル当たり198万円(前年比41・4%上昇)だった。
地価公示の県内標準地設定数は192カ所(住宅地127、宅地見込地1、商業地59、工業地5)。宮古地区の設定数は8カ所(住宅地6、商業地2)。