多額の起債に苦言/クルーズ船受入施設整備
真栄城氏がただす/市議会一般質問
市が11億7000万円を起債して平良港に整備される予定のクルーズ船の旅客受け入れ施設。真栄城徳彦氏は19日に行われた市議会3月定例会の一般質問で、市が多額の起債で同施設を整備することに至った経緯について苦言を呈した。
市側の説明によると、同事業は、2017年7月に平良港が国際旅客拠点形成港湾に指定され、官民連携で整備することとなった。
同施設については当初、市が現在予定している平良港の陸域で、クルーズ会社グループのカーニバル・コーポレーション&PLC(カーニバル社)が整備する予定だった。
同年12月に市は、同社と施設整備について形成協定書締結前合意を結んだが、同社が18年2月に陸域ではなく、岸壁背後で造りたいとの案を提示して以降、交渉が難航している。
そうした状況から、市が11億7000万円を起債して、同施設を整備する状況となっている。
真栄城氏は「大きな会社と自治体との約束事なので覚書を交わすのは当然だと思うが、覚書もない。約束の担保もない。市は見切り発射で建設工事を急いでいる。話が頓挫したので、市が全額起債でやるのはあまりにも単純すぎる」と苦言を呈した。
今回の起債について、下地康教建設部長は「一般会計の起債ではなく、港湾特別会計での起債。その償還の資源としてはクルーズ船の係船料金を充てる。それを原資として20年の償還期間で返していく予定」と説明した。
多額の起債について、真栄城氏は「11億7000万円もあれば、教育、福祉など市民が喜ぶサービスが提供できる。気になるのは市は簡単に起債できる体力や体質のようなものがあるのか」と訴え、現状に至った経緯にも不満の声を上げた。