平均糖度は14・88度/沖糖宮古搬入終了
農家手取額は2万2630円/収量は10万㌧台と厳しく
沖縄製糖宮古工場は19日午後、2019-20年産サトウキビ(原料)の搬入を終了した。累計搬入量は前年比1万4246㌧減の10万7779㌧、収量の面では想定以上に厳しい実績となった。一方で平均糖度は14・88度と高く、最後まで高品質取引が続いた。1㌧当たりの農家平均手取額は2万2630円に達し、沖糖管内のキビ総代金は24億3900万円となった。
沖糖は今期、1月7日に原料の搬入を始めた。期間中は天候に恵まれ、収穫方法の主流となった機械刈りの原料が順調に入り、ほぼ計画通りに進んだ。
ただ、全体的に原料が軽く、累計の搬入量は操業前に見込んだ生産量12万6000㌧とは大きくかけ離れる厳しい実績となった。
一方品質には優れ、平均糖度は序盤から高糖度で推移した。同社の概況が示す糖度区分別構成比は基準糖度(13・1~14・3度)帯を超える原料が全体の68・78%を占めている。基準糖度帯内は26・39%、基準以下はわずか4・83%だった。
沖縄製糖の仲里典和工場次長は「搬入、操業ともに計画通りに進んだ」と総括した。一方で「キビの見た目が良かったので当初は増産を期待したが、全体的に重量がなく、当初の見込みを大きく下回る厳しい収量になった」と振り返り「減産要因を関係機関と調査した上で来期の生産につなげていきたい」と話した。
今期のサトウキビは、夏場にかけて順調な生育を見せ、各地で増産が見込まれていた。だが、8月に台風9号の暴風に長時間巻き込まれると、9月に接近した2度の台風で葉がちぎれる裂傷被害が発生した。
これらの台風被害で、9月から10月上旬にかけて茎の伸長は大きく鈍化。全体の生産量や品質に与える影響が懸念されていた。