新型コロナ 感染者対応病床は3床/宮古病院
県、「拡大時は一般病棟で対応」/人工呼吸器は大人用13個、子供用5個
全国的に感染拡大が進む新型コロナウイルス。首都圏などから日々、多くの観光客が訪れていることから「宮古での発生も時間の問題」との声も聞かれ始めている。もし、島内で感染者が出た場合は島で唯一の感染症の指定医療機関である宮古病院で対応することになる。県によると、同病院における新型コロナの対応病床は3床。また、同病院の人工呼吸器の数は大人用が13個で小児・新生児用が5個となっている。
わずか3床の対応病床数については、感染が拡大して複数の感染者が島内に出た場合に、不安の声が出ている。
県保健医療部地域保健課は「実際に感染が拡大した場合は3床では収まらないので、院内感染の防止対策を取った上で一般の病棟にも患者を入れて対応するよう国からも言われており、宮古病院でもそれに基づいて準備していると思う」と話した。
同病院の本永英治院長は「もしも宮古で発生して感染が拡大した場合は何階かの1フロアすべてを新型コロナに対応する準備をしている」と話した。
人工呼吸器の数にも不安の声があることについて、同課は「人工呼吸器がたくさんあってもそれを扱って患者を診てくれる医師がいないと何もできない。特に離島は感染者を出さない、増やさないことと医師を守ることも大切」と話した。
感染拡大時における島内の対応について、本永院長は「重傷者は宮古病院で対応し、軽傷者は民間の医療機関の協力を得ながら対応する必要がある。民間との協力も重要」。
そのほかにも「協議の中ではいろいろな意見もあって、感染した軽傷者を隔離する方法の一つに島内にあるキャンピングカーなどを利用しようとの声もある。それが可能になればありがたい。そうした取り組みを進めるためにも私たちと市、医師会などが一体となって取り組む必要がある。また、市民も一緒に対応を考えることも大切」と訴えた。
ある飲食店のスタッフは「実際に観光客は多い。週末の金、土曜日は地元客も多くて満席だった。客は来てほしいが、もしも感染者が出たらと考えるとその後が恐ろしい」と頭を抱える。
同課では「感染症を扱う私たちは、できるだけ人の流入は抑えてほしいが、経済的な面からは別の意見もあって難しい部分だと思う」と話した。