「危機、長引けば廃業も」/新型コロナ
県ホテル旅館団体 県に経営支援要請
【那覇支社】県ホテル旅館生活衛生同業組合(宮里一郎理事長)は2日、県庁に富川盛武副知事を訪ね、新型コロナウイルス感染症で経営に打撃を受けている観光産業への支援を要請した。宮里理事長は「60年余で初めての経験。これまでの危機とは比べものにならない。5月、6月と長引けば廃業につながる。迅速に対応してほしい」と強調した。
要請では、金銭的助成や一部税の免除・減免措置など経営支援策、手続きの簡素化と迅速な執行、稼働率確保に向けた大胆かつ積極的な施策の実施などを求めた。
同組合の影響調査(対象290軒、回答38軒)結果によると、2月の平均稼働率が66・5%なのに対し、3月は36・8%、4月は22・2%、5月は27・9%の見通しという。
宮里理事長は「日々稼働率が下がり10%台の施設もある。大打撃を受け廃業する施設も増えている」と窮状を訴えた。銘苅直子事務局長は「宮古、八重山は本島に比べて稼働率は下がっていない」としたが、危機感をあらわにしていた。
このほか、要請では安全・安心の確保に向けたガイドライン作成への補助と衛生機器の確保、正確な情報の積極的な更新と発信、検査中の要観察者の収容施設の確保なども求めた。
域内需要の喚起では、県民と企業を挙げての県内1泊運動による利用推進、民間施設利用の会議イベント・発表会の開催などを要望した。
これを受け、富川副知事は「未曽有の経済危機。皆さんの業界が一番ダメージを受けている。観光産業がしっかりしないと県経済も回復しない。皆さんと話し合いながらこの難局を一緒に乗り越えていきたい」と意欲を見せた。