収穫後の砕土が有効/ケブカ防除
県農業研究セ 新垣則雄さんが講演
サトウキビ土壌害虫ケブカアカチャコガネに関する講演会が12日午後、宮古農村青少年教育センターで行われた。県農業研究センター上席研究主幹の新垣則雄さんが防除方法に関して講話。詳細な防除実証試験のデータを示しながら「(キビ収穫後の)ロータリーによる砕土は有効。土壌の約75%の幼虫は駆除できる」と話し、実践を勧めた。そのほかに成虫の交尾を阻害する性フェロモン活用の防除方法も示した。
ケブカアカチャコガネの生態として新垣さんは「成虫は2月初旬から3月中旬にかけて出てくる」と説明。交尾を終えた雌は再び地中に潜り、産卵して死ぬという。その後卵からかえった幼虫が地中で成長し、サトウキビの根を食害する。
これらの幼虫はロータリーによる砕土で駆除が可能だが、幼虫は3月下旬から地中深く潜るため駆除率が大幅に低下する。新垣さんは3月末までのロータリーを呼び掛けた。
性フェロモンによる防除法も成果を挙げていると説明した。成虫の雌のフェロモンで雄をおびき寄せて交尾を阻害(交信かく乱)して幼虫の発生を抑える防除法で、新垣さんは「今年の目標は現場におろせる価格で交信かく乱ができるようにすること」と話した。
ケブカアカチャコガネの被害は宮古全体で拡大傾向にあり、幼虫に食害を受けたサトウキビは立ち枯れる。昨年12月に調査を実施した病害虫対策協議会によると、掘り起こして採取した害虫の95%以上がケブカアカチャコガネの幼虫だった。牧草地でも被害を確認している。