喰み跡と見られる痕跡確認/環境省がジュゴン生息調査
伊良部での目撃情報基に
環境省はこのほど、「2019年度ジュゴンと地域社会との共生推進委託業務」および「2019年度ジュゴン生息緊急調査業務」の結果を発表した。伊良部島において漁業者による目撃情報地点を中心に、ドローンにより撮影された空撮画像を分析し、マンタ法(ボートに引かれるダイバーが水中、水底の生物の状況などを直接観察して調査データを得る手法)による調査の結果、ジュゴンの喰み跡と考えられる痕跡が64本、痕跡が密集している地域8カ所を確認した。
同調査業務は、19年12月末に伊良部島の漁業者から、ジュゴンの可能性がある大型海産動物を夜間操業中に船舶から目撃したとの情報が寄せられたことから、伊良部島におけるジュゴンの生息状況に関する緊急調査が実施された。
漁業者による目撃情報地点を中心に、20年2月に伊良部島でドローンにより撮影された画像を分析し、ジュゴンの喰み跡の有無や海草の分布状況を確認。20年3月12日から23日にわたって、ドローンによる空撮を4回実施した。
マンタ法による潜水調査と併せ、海草藻場の分布範囲や環境、喰み跡の数などを調査した。
なお、映像解析、目視調査の結果、ジュゴンの個体は確認されなかった。ジュゴンの環境DNAは採水された海水中に含まれていないものと判断された。
伊良部島では、19年8月ごろから20年3月13日までの間、ジュゴンと思われる目撃情報が4件あった。