観光客減などで売上減少 新型コロナ/飲食店にも影響じわり
新型コロナウイルス感染拡大の余波が、市内の飲食店にも押し寄せている。宮古島社交飲食業組合(奥平玄信組合長)によると、観光客の減少や市民の外食自粛で売り上げが減少、経営を圧迫しているという。同組合は14日午後、臨時総会を招集し、公的機関の救済制度の周知を図る。感染症予防対策として、観光客らの入店制限についても協議するものとみられる。
社交飲食業組合 臨時総会開催へ
組合によると、3月下旬から観光客が激減し、4月も同様の傾向にある。奥平組合長は「特に4月の減り方が大きい。これは観光客に限らない。宮古の人も外食を自粛している。毎月定例の模合の予約キャンセルなども相次いでいる」という現状を示した。すでに臨時休業に入った店舗も複数あるといい、「死活問題の店もある」と話した。
こういった現状を踏まえて臨時総会を招集し、売り上げ減少店を救済する資金の活用などを促す。沖縄振興開発金融公庫や市の担当者が参加する予定。臨時総会は14日午後1時から市総合体育館で開かれる。組合では約70の加盟事業所のほか組合非加入の事業所にも来場を呼び掛けている。
一方、総会では島外から訪れる観光客らの入店制限についても話し合う。新型コロナウイルス感染防止を呼び掛けるチラシの店内張り出しなどを検討する。
奥平組合長は「私たち飲食業界は外食をするお客さんと接する最前線で仕事をしている。宮古島に感染者は出ていないが、一人でも出ると一気に広がるという危機感がある」と感染予防の重要性を強調した。
飲食業の経営は、観光客の増減と密接に関わるため平時は歓迎したいのが業界の本音だ。一方、新型コロナが広がる今は店内での濃厚接触を避けて感染症を予防したいというジレンマもある。組合の行動指針を問う議論が注目される。