宮古病院 発熱特殊外来を開設
新型コロナ疑い患者に対応/本永院長「危機迫っている」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県立宮古病院(本永英治院長)が発熱特殊外来を開設する。新型コロナ感染症が疑われる患者に対応するもので、一般患者との間に境界を設けて院内感染を防ぐ。国の緊急事態宣言後、宮古管内での疑い症例は増加傾向にあるという。本永院長は「危機が迫っている。厳戒態勢で備えたい」と話し、市民も危機感を持って感染防止に努めるよう訴えた。発熱特殊外来の開設日は13日。
病院側が10日、院内で開いた会見で発表した。説明によると、政府が緊急事態宣言を発令した7日を境に管内の1日当たりの疑い症例数が変動。それまでゼロか1人だった症例が3~5人に増えているという。
担当医師は「かなり様相が変わってきている。急に波が来ることもあるので危機感を持って行動し、できるだけ外出は控えてほしいと思う」と呼び掛けた。
こういった現状を踏まえて発熱特殊外来の開設を決めた。同病院に併設されている宮古島市の休日夜間救急診療所(休診中)を同外来に位置付けた。すべての発熱患者を受け入れる外来ではない。新型コロナ感染症が疑われる場合でも、原則的に保健所などからの連絡に応じて診療を行う。
新型コロナ疑い患者をゾーン分けすることで、一般患者への暴露および病院内職員への感染の広がりを防ぐ。特に、無症状を含む感染者が高齢者であふれる内科外来の待合室に紛れ込まないよう対策を強化する。
特殊外来での診療が必要かどうかは「発熱特殊外来に関する問診表」を用いてスクリーニング(選別、ふるい分け)する。その上で診察し、宮古保健所と協議した上でPCR検査を実施するか否かを決定。実施して採取した検体は沖縄本島に送り、行政検査にかける。
同外来では医師2人と看護師2人が専属で診療に当たる。時間は平日(月~金曜日)の午前10時から午後2時まで。この時間帯以外はオンコール(専属医師の呼び出し)で対応する。
開設に当たって本永院長は「宮古病院に直接来るのではなく保健所、開業医の先生方を通して来るのが望ましい」と述べ、新型コロナ感染症が疑われる場合でも冷静な対応を求めた。
その上で、「新型コロナウイルスという今世紀おそらく最大の脅威が宮古島に伝播(でんぱ)してくる可能性が高まっている。みんなで協力して、これを何とか乗り越えていかなければならない」と話し、広く市民に感染防止を訴えた。