宮古、地方本部立ち上げへ/医療体制の整備急ぐ
知事、県医師会と会談/新型コロナ
【那覇支社】県は10日、新型コロナウイルス感染症の対応について、県内約20の医療機関の院長らと意見交換会を南風原町の県医師会館で開いた。県は、離島などでの医療体制について「宮古、八重山、北部の保健所を中心に地域の医療機関、関係機関で近々立ち上げる地方本部で対応していく」との方針を示した。
宮古病院での感染症対応病床は3床。仮に宮古地区で新型コロナウイルスの感染が拡大した場合には、院内感染の防止対策を取った上で一般病棟にも患者を収容するなどの対策が必要になる。
感染症病床は、八重山病院も3床、沖縄本島の北部病院では2床。これまで宮古・八重山地区、沖縄本島北部地区で感染は確認されていないが、県は医療体制の整備を急ぐ。
意見交換会では、感染確認が相次ぐ沖縄本島中南部で病床が逼迫(ひっぱく)している状況も議論された。県では、重症者に対して病床を確保するため、ホテルを利用した軽症者の療養体制の構築を進めている。
担当者は、「県ホテル旅館生活衛生同業組合への協力依頼、個別での交渉を並行して進めている。近々に契約できそうな施設もあり、可能な限り早く実現するよう努力したい」と説明した。
このほか、医療従事者の疲弊等に関しては、「仕事面での疲弊もあるが、『保育園が感染者のいる医療機関で働く人の子供を預からないということがあって辛い』との報告があった。そのような偏見を持たないようにしてほしい」と訴えた。
会合の冒頭、玉城デニー知事は「患者が急増する(本島)中南部地域で病床確保が難しい状況。医療機関の方々は心身の疲労が蓄積しているが、病床確保に引き続き力添えをお願いする。対策本部としてしっかり支援できるよう忌憚(きたん)のない意見をお願いしたい。県民の命と健康を守るという共通目標のために医師会と連携し、この局面を乗り越えて行きたい」と強調した。