コロナ対策に6億円/宮古島市
子供1人に1万円支給/企業には一律10万円給付
下地敏彦市長は15日、新型コロナウイルス感染症に関する市独自の支援策を発表した。子供(0~15歳対象)1人につき1万円の支援金を支給するほか、売り上げの落ち込みで資金繰りにあえぐ企業や事業所に一律10万円を給付する。さらに、市会計年度任用職員50人を雇用する方針も示した。財源は市の積立金に当たる財政調整基金などから拠出し、総額6億円を投じる。5月8日に開会予定の市議会臨時会での承認を得て、各支援対策を実行に移す。
今回の支援は▽感染拡大防止▽生活維持▽経済▽備蓄品購入▽その他-に分類して実施する。第1弾に位置付けている。
生活維持対策では、子育て支援金として子供1人当たり1万円を支給する。上下水道料金の3~5月分の支払いを1カ月延長できる猶予期間も設けた。
経済対策では、公的機関等の融資を受けている事業所に中小零細企業助成金を支給、融資等を受けられない事業所には事業者経営支援金を出す。ただ、二つのカテゴリーのうち、事業者経営支援金の今回の対象事業所は、宿泊、飲食、マリン関係に限るとした。
対象は宮古島市内に住所を有していることや公金滞納がない者、暴力団と関係していない事業所など。
それぞれ1000事業所を想定しており、一律10万円を支給。合計2億円の支出を見込んでいる。
申請から支給までスムーズに流れるよう申請書を簡素化する。ただし、申請書の提出は原則郵送。新型コロナ感染予防で人と人の接触を避けることが狙い。申請書は近く市のホームページ等にアップする。
雇用対策も講じる。従来の市の臨時職員を指す市の会計年度任用職員として50人の枠を確保する。市公共施設の指定管理者の負担軽減も検討している。
このほか、感染拡大防止策では幼、小、中学校に紙マスク、医療や保育の従事者、妊婦には布のマスクを配布する。消毒用アルコールや防護服なども用意して感染防止に役立てる。
さらに、新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査の結果が出るまで待機できる宿泊施設も市の予算で借り上げる。
これら支援策の財源捻出に当たっては、財政調整基金やふるさとまちづくり応援基金(ふるさと納税)等を活用する。5月8日に開会予定の市議会臨時会に補正予算案を提出する。
15日、市役所平良庁舎で会見した下地市長は「新型コロナウイルス感染症の猛威によりさまざまな社会機能が著しく停滞する中、本市でもホテルなどの宿泊業をはじめ観光に関連する経済活動が大きな打撃を受けている」と述べた。子供たちを取り巻く環境の激変にも触れ、島内企業・事業所および子育て世帯への支援の必要性を強調した。