「メタボ率高い宮古危険」 新型コロナ/竹井地区医師会長が警鐘
県内でも拡大の一途をたどる新型コロナウイルス。宮古地区医師会の竹井太会長は、島の高い高齢化率とメタボリックシンドローム(メタボ)率を指摘し高齢者と基礎疾患を有している場合は、感染した際の致死率や重症化に影響することから島民に警鐘を鳴らしている。さらに、そうしたリスクを抱えながらも、島内には対応病床が現状で3床しかない現実を指摘し「想像よりも早く医療崩壊はあり得る」と訴え、島民全体に「3密(密閉、密集、密接)防止」の徹底を呼び掛けた。
石垣市で13日に感染者が初めて確認され、16日には県内で初の死者が出たことを受けて宮古島でも日々、緊張感が高まっている。
日本プライマリ・ケア連合学会のまとめによると高齢者および免疫低下につながる基礎疾患がある患者が感染すると、肺炎を合併しやすく、さらに重症化しやすい傾向があるとしている。
致死率についても、健康成人が0・9%であるのに対して高齢者(80歳以上)は14・8%と高い。
さらに、循環器疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患(喫煙者など)、高血圧などもそのリスクを大幅に上昇させるとしている。
宮古島市では、過去に男性が平均寿命で県内ワースト1位になったことがあり、現在もメタボ率は高い状況が続いている。
竹井会長は「特に島の男性は数値が悪い。基礎疾患のある人が多く高齢化率の高い島の中で感染者が広がると重症になるケースも高くなる」と話した。
さらに「そうした背景からも、宮古で感染者が増加してしまうと、あっという間に厳しい状況に追い込まれて『医療崩壊』になってしまう。そうした島の現実を島全体が理解すべき」と訴えた。
3密防止の徹底を強く訴える竹井会長は「糖尿や高血圧などの基礎疾患がある人は3密の飲み会が好きな人が多い。現状でそうした人たちの飲み会は自殺行為」と注意を促す。
その上で「意識の欠如した人たちの行動によって、感染防止のために頑張っている医療従事者や周囲の人たちが大きな代償を払うことになることを理解してほしい」と話し、自制を求めた。
そのほかにも、島民に対しては「発熱でかかりつけの医院を受診する場合も、いきなり来院するのではなく、まずは電話をした上で病院側の指示を受けてほしい」と呼び掛けた。