保健所への相談667件/コロナ不安で急増
直接関係ない電話も多く/宮古地区
新型コロナウイルス感染拡大を受け、帰国者・接触者相談センターを置く宮古保健所への相談件数が急増している。4月は前月比で3倍近い422件(22日現在)と格段に増え、センターを立ち上げた2月13日からの累計相談件数は667件に及んでいる。世界中で広がる新型コロナウイルスの脅威を前に、市民の不安が色濃く反映されているものとみられる。一方で感染症とは直接関係のない電話も後を絶たないという。同センターでは適切な利用を呼び掛けている。
帰国者・接触者相談センター(保健所)は、新型コロナ感染が疑われる患者を診療体制の整った医療機関に確実につなぐための役割を担う。自身の症状などから感染が疑われる人は、医療機関を受診する前に、同センターに電話連絡することが原則となっている。
宮古保健所によると、センターで電話対応に当たる専門職員は4人。ただ、現状この人数では対応し切れないため、別部署から2人の要員を駆り出し、計6人で相談に応じている。
相談件数は右肩上がりが続く。センターを設置した2月は95件だったが、3月に入ると150件と1・5倍に。4月はさらに増えて422件と急増した。
内容は、症状がある人からの受診や検査についての相談が多い。医療機関からの検査に関する問い合わせもある。また、自身の症状はないものの、周囲に患者が出た場合の対応をどうすればよいのかといった心配の声も寄せられている。
消毒の方法をはじめ、店舗や施設、地域における感染予防策に関する意見、要望などもあるという。
別の保健所管内の相談件数と比較した数字はないものの、同センターでは「5万人を超えるぐらいの人口としては少なくないのではないか」としている。
一方で、観光客から「宮古島に旅行に行こうと思うが大丈夫か」といった問い合わせのほか、地元市民からは「観光客は来させないでほしい」「(多くの人で混雑する)スーパーや病院を指導して」などといった感染症とは直接関係のない電話も複数あるという。
こういった電話が増えると、本来の役割に支障を来してしまう恐れを排除できない。センターでは「このような相談に対しては、どうすることもできない」と理解を求め、「センターの役割は、疑いのある患者を確実に医療機関につなぐための対応をしっかり取るということにある」として適切な利用を呼び掛けた。
同センターへの電話相談に当たっての基準は、▽風邪の症状や37・5度以上の発熱が4日以上続く▽発熱はなくても強いだるさや息苦しさがある-。ただ、高齢者や糖尿病、心不全などの基礎疾患がある人は、発熱が2日程度続けば連絡するよう周知している。