周辺施設も整備へ/玉城知事 首里城復興基本方針
【那覇支社】玉城デニー知事は24日、県庁で定例記者会見を発表し、昨年10月31日未明の火災で焼失した首里城正殿などの復興に向けた基本方針を発表した。琉球王国世子の居宅だった中城御殿や、王家の菩提寺だった円覚寺など、首里城周辺の施設についても段階的に復元する方向性が示された。
中城御殿などの復元は、首里杜地区が琉球文化を体現できる場として整備する取り組みの一環。基本方針では、琉球王府の迎賓館ともいわれる御茶屋御殿についても、「国や那覇市と連携して段階的な整備に向けた検討を進めていく」とした。
また、沖縄戦で日本軍が拠点を置いた第32軍司令部壕(ごう)についても、情報発信するための環境整備に取り組むとした。ただ、同司令部壕の内部では岩塊の崩落などが発生して一般公開が困難であることから、玉城知事は「バーチャルリアリティーなどを使って壕内部を仮想体験できるようなことも構想している」と述べた。
このほか、会見では、記者団から「新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための外出自粛は、どの程度成果を上げているのか」との質問も出た。
これには、大城玲子保健医療部長が「数字的なものは持ち合わせていないが、かなりの店舗や事業を休止しているところもあるので、ある程度の成果は上がっていると思う。数字で把握できるよう取り組んでいく」と答えた。
会見では、「政府は宿泊施設についても観光などを目的とした場合は都道府県が営業自粛を要請できると通知している。県は改めて(ホテルなどに)休業を要請するのか」との質問も出された。県当局は「現在のところ、検討していない」と述べるにとどめた。