持参せず、郵送で/国のコロナ緊急対策
10万円給付の申請書/市、「3密」回避で呼び掛け
新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の緊急経済対策で、全国民に一律10万円を給付する事業のオンライン申請の受け付けが始まっている。ただ、宮古島市での申請は現状不可。基本は郵送対応となり、給付金の支給開始は早くても5月下旬になる見通しだ。懸念されるのが申請書提出時における「3密」。郵送申請が原則だが、市は直接持ち込む市民が一定程度いることが想定されるとし、「郵送申請を守ってほしい」と強く呼び掛けている。
同事業は、特別定額給付金として国民1人に一律10万円が支給される。市の対象世帯数は約2万8000世帯で、必要な予算は56億円が見込まれている。
給付金は世帯主の口座に振り込まれる。仮に4人家族の場合、合わせて万円が給付される仕組みだ。
全国の自治体で給付手続きが進められており、1日にはオンライン申請の受け付けが始まった。マイナンバーカードを持つ人に限られる申請方法で、全国の約4割の市区町村で可能だという。県内でも石垣市など複数の自治体がこの方法で申請することができる。
ただ、宮古島市は今のところ対応していない。事業の実施に当たって設置されている市新型コロナウイルス対策給付支援室の平山茂治室長は「環境整備が必要になり、現状としては検討段階にある」としている。
基本的には郵送対応となり、各世帯への申請書の発送は5月中旬にも始まる見通しだ。受け取った受給対象者は申請書に必要事項を記入し、振込先金融機関の通帳および身分証明書の写しを添えて、同封されている返信用封筒に入れて送り返すという流れだ。
返送を受けた支援室は直ちに給付作業に着手。準備が整い次第、口座に1人当たり10万円の給付金を振り込む。平山室長は「一日でも早く、速やかに支給できるよう急ピッチで準備を進めていきたい」と話し、早ければ5月下旬にも支給を始めたい考えを示した。
一方、支援室が最も懸念しているのが申請書提出時の密集、密閉、密接の「3密」だ。申請書は原則的に郵送提出だが、市独自の別の緊急対策事業における申請状況を踏まえ、支援室に直接持ち込む市民が出てくることを想定している。
支援室は「2万8000世帯が対象になるため、申請者が重なると大変な混雑が予想される。感染予防のためにも、申請書を直接持ち込むことは原則としてやめてほしい」と市民に理解と協力を呼び掛けている。
特別定額給付金に関する問い合わせは、総務省のコールセンター(電話03・5638・5855)、または市の対策給付支援室(電話79・9671)まで。