来春廃校 有終の美へ/3年生5人で始業式
最終年度も実り多き年に/伊良部高校
「生徒、職員が一丸となって有終の美を飾ろう」-。来春に廃校となる伊良部高校(大宮廣子校長)で21日、2020年度の始業式が行われた。新型コロナウイルスの全国的な感染拡大の影響を受け、大幅に遅れた始業式だが、最後の卒業生となる3年生5人と、全職員が実り多い1年とすることを誓い合った。
同校は1984年4月に設置された県立宮古高校伊良部分校が、86年4月に県立伊良部高校として独立開校し、現在に至っている。
同校体育館で行われた始業式で、大宮校長は「本校37年の歴史を閉じる来年の卒業式では皆さんが最後の卒業生となる。ぜひ、この学校の校訓、校歌に込められた思いをしっかりと心に刻んで、これからの日々を過ごしてほしい」と訴えた。
その上で、「この1年、それぞれが目標を設定し、それをやり遂げて卒業してほしい。そのために全職員がしっかりサポートしていく。生徒、職員が心一つにして有終の美を飾ろう」と呼び掛けた。
最後の卒業生となることについて、宮国快吏生徒会長は「学校が無くなるのは寂しい。さらに、今後も新型コロナでいろいろ厳しい面はあると思うが、最後の1年を5人の同級生で頑張ってたくさんの思い出をつくっていきたい」と話した。
同校は、84年の開校当時の定員は2学級の90人でスタート。しかし、少子化で島内の子ども数は減少し、それに伴って入学者数も年々減少傾向で推移していった。
2004年に「2学期制」がスタートしたころから、入学者数はさらに減少し続け、50人台、40人台となっていった。
この減少傾向は続き、13年度に41人いた入学者数が14年度には一気に減少して19人となった。
15、16年度と20人台をキープしたが、17年度は16人となり、今年度の卒業生が入学した18年度は初の一桁台の7人となっていた。