新人2氏が初当選/県議選宮古島市区
下地、國仲氏 保革で分ける/現職座喜味氏、4選成らず
任期満了に伴う第13回県議会議員選挙(定数48)は7日、投票が行われ、即日開票された。多良間村を含む宮古島市区(定数2)では、9204票を獲得した自民新人で前市建設部長の下地康教氏(60)、7685票を得た無所属新人で前市議の國仲昌二氏(59)がそれぞれ初当選を果たした。前回同様、保守と革新がそれぞれ1議席ずつを分け合う構図となった。無所属の現職で4期目を目指した座喜味一幸氏(70)は落選した。
保守系は分裂したが、下地氏は下地敏彦市長、下地市長を支える与党議員ら17人の支持を受けたほか、建設業協会など幅広い業種からの推薦を得るなどして優位な選挙戦を展開した。
新人で議員経験がなく、知名度に不安はあったものの自民党公認、公明党推薦のいわゆる「自公路線」をアピール。離島住民の生活向上を政策の柱に据え、国政与党、自民党とのパイプ役を強調しながら支持を広げた。
革新系のオール沖縄は一本化を実現。亀濱玲子氏からバトンを受けた國仲氏は、玉城デニー知事を支える県政与党の立場を掲げて、労働組合や市民団体などの革新系の票を手堅くまとめた。
「行き過ぎた開発にストップ」「新基地建設反対」など、相手候補との立場の違いを強調。郡部での知名度の低さや選挙戦の出遅れに懸念はあったが、奥平一夫氏、亀濱氏と続いてきたオール沖縄の宮古の候補としての一議席を死守した。
座喜味氏は3期12年の実績と経験を前面に出し、農水産物輸送費など、離島の課題解決に取り組んでいくことを主張。県議選でありながらも「市政刷新」を呼び掛けて、「保守政治の原点」を訴えたが及ばなかった。
全国的に新型コロナウイルス感染拡大が続く中での選挙戦。各陣営とも感染防止の観点から、総決起大会など大規模集会を取りやめるなど異例の展開となった。
下地 康教氏(しもじ・やすのり)1959(昭和34)年8月17日生まれ。平良西仲宗根出身。明星大学卒。89年旧平良市役所採用。宮古島市都市計画課長などを経て2013年同市建設部長。20年3月に定年退職。
國仲 昌二氏(くになか・まさじ)1960(昭和35)年12月23日生まれ。来間島出身。日本工学院専門学校中退。85年に旧平良市役所採用。市町村合併、行財政改革など担当。2013年、市議会議員初当選。2期目途中に退職。