2カ月で288件受け付け/商工会議所
島内経済の厳しさ浮き彫り/コロナ関連手続き相談
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済活動が停滞する中、資金融資や公的助成金の申請手続きの相談窓口となっている宮古島商工会議所では4月の相談件数が前年比4倍、5月が同3倍となり、島内経済の厳しさを浮き彫りにしている。2カ月のコロナ関連の相談は288件だった。国の大型補正予算が12日にも成立する見通しで、さらに新たな支援策が打ち出されることから、相談窓口の慌ただしさは当面続きそうだ。
島内の経済活動に新型コロナの影響が出始めたのは2月で、外国クルーズ船の入港、下地島空港への国際線乗り入れがストップ。3月中旬になると観光客数が半減し、緊急事態宣言が出された4、5月はさらに減り、前年の1、2割にまで落ち込んだ。観光客の激減に伴って、宿泊、飲食、運輸、土産品店など多くの業種に大きな影響を与え、経済活動が停滞した。
商工会議所には影響を受けている事業者からの相談が増加。3月には経済産業省が売り上げが減少した中小企業や小規模事業者に特別貸付枠を設け、公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)でも金利引き下げなど緊急対策が打ち出された。また要請によって休業した事業所の雇用を維持するための雇用調整助成金、事業そのものを維持するための持続化給付金などもある。
これらの助成金や給付金の申請手続きがネットでのオンライン申請のみで、書類も複雑なことから、事業者からの相談が増加している。会議所では人員や窓口を増やして連日対応している。
4、5月の2カ月の相談状況は特別貸付が86件、融資額9億8000万円。マル経融資のコロナ特別枠で9件、同7700万円を受け付けた。雇用調整助成金の相談は60件、5月21日から始めた持続化給付金は月末までの実質8日間で84件の相談があった。会議所全体の窓口相談は4月が前年比約4倍の883件、5月は同約3倍の775件だった。
11日に持続化給付金の申請相談に訪れていた事業主は「4月上旬から店を閉めていたので売り上げはゼロ。今月1日から店を再開したが、売り上げはまだゼロ」と苦しい状況を吐露した。