クルーズ船専用バース完成/14万トン級接岸可能に
CIQ施設進捗は43%/平良港
平良港北防波堤で進められていた14万トン級のクルーズ船が接岸可能となる専用バースの整備工事と、それを結ぶ臨港道路の工事がこのほど、完了した。また、隣接地で進められている、税関、出入国審査、検疫などを行う平良港旅客受け入れ施設(CIQ)の工事は現在、建物の進捗(しんちょく)率が68%で、駐車場などを含めた全体の進捗率は43%。7月末の完成予定になっているが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、クルーズ船の寄港はキャンセルが相次ぎ、供用開始のめどは立っていない。
今回の整備工事で14万トン級のクルーズ船の接岸が可能になったが、クルーズ船の大型化に対応するため、平良港港湾計画の一部を変更し、さらに22万トン級のクルーズ船が接岸できるように整備を進める。
それに対応して岸壁も420メートルとし、航路の水深も既存計画の「10~11メートル」を「12メートル」とするほか、幅員も「290~330メートル」から「290~350メートル」に変更を予定している。
これまでは、5万トン級までは下崎埠頭(ふとう)に接岸。それ以上は平良港沖に停泊し、「テンダーボート」と呼ばれる補助船で乗客を港に輸送していた。
CIQ施設は当初、世界最大のクルーズ船運営会社のカーニバル・コーポレーション&PLCが整備する予定だったが、整備場所をめぐり国や市と折り合いがつかなかったため、市が整備することになった。
建物は1500平方メートルの鉄骨構造の平屋で建設費は3億6100万円。隣接して300平方メートルの観光案内施設も建設される。