正しい知識で関心持って/ハンセン病普及啓発パネル展
平良庁舎で開催セレモニー
ハンセン病に関する正しい知識の普及啓発を目的としたパネル展(主催・県宮古福祉事務所、共催・市)が22日、市役所平良庁舎1階ロビーで始まった。関係者が集い、開催セレモニーを行った。ハンセン病の特徴や歴史を資料や写真などで伝えている。会期は26日まで。
県は毎年6月を「ハンセン病に関する正しい知識を普及する月間」としており、回復者らの福祉の増進、名誉回復などを目的とした活動を実施している。パネル展は23~28日の期間、市未来創造センターでも同時開催される。
主催者を代表して野原勝所長は「誤った知識に基づく隔離政策などにより、偏見や差別を受けた回復者やその家族が大変つらい思いをされた。多くの市民が正しい知識を得て、この問題に関心を持つ契機になってほしい」と呼び掛けた。
長濱政治副市長は「人類は多くの病気と戦ってきたが、一番熾烈(しれつ)を極めたのがハンセン病ではないか。偏見や差別のない社会を作ることが正しい道である」と語った。
宮古退所者の会代表の知念正勝さんは「パネル展を開催することはありがたいが、正しい知識がどれだけ社会に浸透しているのか。新型コロナウイルスの発症者や家族が、差別や偏見を受けていることを聞くとハンセン病に状況が似ていると感じた」と述べた。