床をフラットに改修/けがの報告4件、実数は不明
危険性指摘に教育長表明/未来創造センター多目的ホール
市教育委員会は市未来創造センターの多目的ホールの舞台と観客席の間にあるオーケストラピットを改修し、フロアを平たんにする。30センチの段差があるオーケストラピットは開館当初から、転落などの危険性が指摘されていた。25日の市議会6月定例会一般質問で平良敏夫氏の指摘に、宮國博教育長が改修の方針を明らかにした。
未来創造センターは図書館と公民館の機能を兼ね備えた施設として2019年8月に開所。公民館の多目的ホールは200席の可動式観客席と深さ30センチ縦4メートル横14メートルのオーケストラピット、舞台がある。建設計画当初、ピットは計画されていなかった。しかし場所が200平方メートルを超える「集会場」が建設できない都市計画の第1種中高層住居専用地域と判明し、ピットを入れ込むことで200平方メートル超の広さを確保した「集会所」の名目で建設したという。
ピットへの転落の危険性は開館当初から指摘され、床に利用者を誘導するカラーテープを貼るなど対策を取ってきた。公民館には転落による捻挫などのけがの報告が4件あり、報告しない利用者もおり、実数はかなり増えるとみられている。公民館では19年11月にピットの片側にパイプで高さ1メートルの防護策を設置した。
宮國教育長は「床をフラットにしなければ危険性は取り除けないと考えている」と答弁。改修の時期は不明だが、取り外し可能なキャスター付きのボックスを埋め込む方法などが検討されるという。
未来創造センターは建物が独特の形状で、複数の施設や機能がアラカルト的に配置されている。建物内には多くの段差があり、建物外でも斜面の通路も多い。図書館の新書コーナーの段差につまずき転倒したという利用者の女性(48)は「本を見て歩いていて段差に気付かず転んだ。図書館では本を探しながら歩く。床には注意がいきにくい。この段差は必要あるのか」と疑問を呈した。