保良鉱山土地取得9割超
沖縄防衛局 弾薬庫躯体工事にも着手
宮古島への陸上自衛隊配備に伴う城辺保良鉱山地区への弾薬庫建設工事に関して、防衛省は2020年5月末現在で、全体面積(約19・4ヘクタール)の9割を超える、約18・8ヘクタールの土地を取得したことが1日までに分かった。沖縄防衛局によると20年4月からは弾薬庫(火薬庫)の躯体工事に着手している。19年10月に示した工事工程表とほぼ同様のスケジュールとなっている。同局では工事の完了時期について一部土地の取得ができていないことなどを踏まえて「完了時期は未定」としている。
同地区に整備される施設は地対艦誘導弾や地対空誘導弾、その他部隊が使用する弾薬などを保管する「火薬庫3棟」、隊員が射撃訓練を室内で行うための「覆道射場」、隊員が訓練の準備やさまざまな管理業務を行う「廠舎(しょうしゃ)」などを予定しており、全体面積約19・4ヘクタール中、約18・8ヘクタールの地権者と20年5月末までに不動産売買契約を締結している。
宮古毎日新聞社の取材に対し、同局は「保良鉱山地区においては測量等および造成工事については19年10月に着手し、工事を進めてきたところで現在も工事を継続している。保良鉱山造成工事は土地の取得ができたところから開始しており、一部土地の取得ができていない箇所については取得後に造成工事を行う予定」と答えた。
また、一部の土地取得がされていないことなどを踏まえて建設工事の完了時期については「未定であることからお答えできない」と話した。残る土地取得については「地権者との調整が整い次第取得する予定」と答えた。
一方、同鉱山で現在行われている工事の内容については今年4月から本体工事等として「火薬庫の建設工事に着手し、現在は躯体工事を行っている。また、今年6月からは整備場、受電所、給水所の工事も行っている」と回答した。
建設地周辺では、地元住民らが「自衛隊は弾薬庫に隣接する地域の住民に十分な説明もせず一方的に工事を進めている」などとして反対運動を展開している。