西里通り、45.8%上昇/20年路線価
税務署別で県内トップ/コロナで状況不透明に
【那覇支社】沖縄国税事務所は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年分の県内路線価(1月1日現在)を発表した。宮古島税務署管内の最高値は「平良字西里の西里大通り」(中央通りとの交差点から北西向け区間)の1平方㍍当たり10万5000円で、前年から45・8%上昇した。県内各税務署管内での最高路線価では、同地点の伸び率が最も高かった。
西里大通りが宮古税務署管内の最高路線価となるのは22年連続。宮古島署管内の路線価最高値が上昇するのは3年連続で、伸び率も前年の4・3%から大幅に拡大した。
また、同日に公表された国税庁のホームページによると、市場通りは同9万8000円(同46・3%上昇)、下里通りは同9万1000円(同42・2%上昇)となった。
宮古地区での地価上昇について、県不動産鑑定士協会の高平光一会長は「宮古はもともと潜在能力が高く、それが顕在化した。高額な取引は3年ほど前からあったが、昨年からは高値が定着した」と説明した。
今後については、「(新型コロナの影響により)状況が不透明過ぎて、もう少し時間をかけないと判断しづらいが、観光客の影響が鍵ではないか。住宅地は変わらないと思うが、観光などで土地需要が上がった場所では変動があるのではないか」と分析した。
県内での最高路線価は、19年連続で「那覇市久茂地3丁目 国際通り」となり、前年比40・8%上昇の同145万円となった。同地点の路線価が上昇するのは8年連続で、伸び率は昨年に続き全都道府県の県庁所在地で最も高かった。
路線価は、相続税や贈与税の算定基準となるもので、毎年1月1日を評価時点に時価の80%程度をめどに算定される。
新型コロナなどの影響により地価が大幅(約20%以上)下落し、路線価が時価を上回った場合については、同事務所の担当者は「納税者が(不動産鑑定士による評価額に基づくなどして)自ら時価を把握した上で申告できる」としている。
また、「広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の申告の便宜を図る方法を幅広く検討する」としたほか、「今後、国交省の地価調査等から地価状況を把握することに加え、外部の専門家による地価調査を実施するなど、その動向を注視する」と述べた。