宮古病院 最新の血管撮影装置導入/「安全確実な治療可能」
宮古病院(本永英治院長)は16日、新たに最新型の血管撮影装置を導入したことを発表した。会見した本永院長らは同病院が先島諸島で唯一の脳血管専門医を有し、高度な脳卒中治療が行える専門施設となったことを強調。今後はカテーテル治療でできる対象が増えることで複雑な病変に対しても「安全確実な治療が可能となる」と説明した。
記者発表は本永院長をはじめ、同病院の山本聡脳外科部長、脳血管内治療専門医を派遣している福岡大学の井上亨教授、同病院で脳外科医として勤務した経験のある福岡大学の福田健治医師らが参加し、新血管撮影装置の概要と導入メリットについて紹介した。
従来の装置は正面からのみの一方向撮影だったため、一度撮影した後に再度、側面に向きを変えて撮影するなど時間がかかったほか、操作リスクもあった。また、撮影のたびに造影剤が使用されるが、造影剤は腎臓への影響など副作用があり、患者への負担も大きかった。
新装置は脳血管内治療や循環器の治療に使用されるもので、大きな特徴として正面・側面の2方向同時に連続撮影することができる。それにより、患者の被ばく線量や造影剤量を低減できるほか、精度の高い診断や複雑な治療をサポートするアプリケーションが搭載されており、脳血管内手術や心筋梗塞での「ステント治療」でよりレベルの高い安心安全な医療が提供できるという。
県内では県立南部医療センターと県立中部病院、琉球大学病院に導入されているが先島地域では初。宮古病院では脳血管治療症例は年々増加しており、2019年は22例の手術が行われている。
本永院長は「この宮古島内で脳卒中の急性期治療が、日本で最新の技術で行われていることを知ってほしい。それを支えるために新しい脳血管撮影装置を導入した」と話した。